私たちは「拾う」をテーマに活動してきた。時には街へ繰り出し落とし物を拾ったり、時には室内に篭って文献を読んだりして活動の検討・実践を行ってきた。本展は私たちが綴ってきた「道筋」のプロセスである。
 それは宛名のない手紙のように何者かが残し、数寄者が蒐集するように探り、秘密基地を建てる少年のように生み出す循環の一部である。その循環の一部にそれぞれが物語を付与し、編纂して一つの拾遺物語として記し、想像上の人物に結える。

     私たちは追っている。あなたの気配を、抜け殻を。
     私たちは集めている。彼の兆しを、足跡を。
     私たちは辿っている。彼女の報せを、残り香を。
     私たちは探している。誰かの落とし物を、痕跡を。

庄司知生
落とし物 
Published in 2022 
Photography:SARA TAKAMURA/TOMOKI SHOJI/WAKANA SATO/YIZHOU WU 
Text:SARA TAKAMURA/TOMOKI SHOJI/WAKANA SATO/YIZHOU WU 
Book design/typesetting:YIZHOU WU 
Typeface used:Yu Mincho/A-OTF Kaisho MCBK1 Pro 
Paper:NPI 157g/m² Printed by CTWWL
Back to Top