製本ワークショップのポスターデザイン
 書店で本を眺めている時、本棚を整理している時、本を読んでいる時、あるいは本を作っている時、一瞬でも「本とは何か」と疑問を抱いたことはありませんか。
 一般的には、本は知識や情報を伝えるための媒体として定義されています。この定義に基づき、大量生産のニーズ、視覚伝達のニーズ、持ち運びや収納のしやすさといった要請によって、本は私たちが知る「普通の本」として形作られてきました。
 しかし、意匠を凝らした本を手に取ると、どこか異質な感覚を覚えることがあります。ページをめくる際の手触りやデザインの細部から感じられる工夫によって、心を揺さぶられる感覚。それは私たちが、一般的な定義から生まれた「効率性」に対して、「本」という概念そのものへの問いかけに共鳴するからではないでしょうか。
 多くの製本ワークショップでは、本の定義は大量生産で作られる本と変わりません。しかし、手作りの本は、工場で作られる本より、ずっと自由です。それは単に素材やデザインの角度からではなく、もっと根本的なところから、つまり「本」についての定義から発する自由があるからです。 
 このワークショップでは、製本の練習をしたうえで、文字通りに「本棚にしまわない本」作りを目指します。
 本の形態や目的に興味を持つ方、自分だけの特別な一冊を作りたい方、既存の本の在り方に疑問を感じたことがある方。ぜひこのワークショップで、本が持つ可能性を一緒に探求し、あなたの感性を形にしてみませんか。

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